【歯・口腔疾患の現状と細胞治療の可能性】
歯の内部にある歯髄が炎症を起こしている歯髄炎に対しては、一般的に神経を抜き、人工物を中に詰める治療が行われています。しかし、神経が無くなるため、歯に何らかの異常が生じても気がつきにくく、再治療になる場合があります。そこで幹細胞を用いた新しい治療法の研究が進められており、神経を抜いた歯に歯髄由来幹細胞を移植することで、血管や神経を含む歯髄が再生され、歯が折れることや、歯根の下が腐敗することを防ぎ、歯が健康で長持ちできる可能性があります。
【現在、治療や動物による研究が行われている機関】
◆ 日本大学(骨髄由来) ◆ 東北大学 ◆ 名古屋大学 ◆ 愛知医科大学
◆ 大阪大学 ◆ 歯科口腔先進医療開発センター(国立長寿医療研究センター内)
【歯科口腔先進医療開発センターの症例】
ビーグル犬を使用した動物実験で、歯周組織に移植した脂肪組織由来幹細胞から骨(歯槽骨)が再生されることが確認されています。
※ 幹細胞に関する様々な情報は、ヒト幹細胞情報化推進事業(SKIP:https://www.skip.med.keio.ac.jp/)や 日本再生医療学会雑誌、各大学や施設の論文及び記事などを参照しております。